中井秀夫『真珠母の匣 新装版 とらんぷ譚 Ⅳ』(講談社、講談社文庫、2010)2010

カバースレ・キズ・ヨゴレ少、背表紙上部ヨレ(画像5枚目参照)／本体小口ヤケ少・キズ少(底／画像9,10枚目参照)・ヨゴレ少(画像3,8枚目参照)

b2.2

きらびやかな宝石の匣。だが開けてみると、肝心の宝石は消えうせ、赤い絹布の窪みだけが残っている。この匣は、虚とか不在と名づけられるべき、天与の贈りものであろうか。戦争の傷をその後の人生に刻した三姉妹を美しい宝石箱の虚になぞらえ、妖美壮麗の小説世界を築く幻想文学の傑作。連作「とらんぷ譚」Ⅳ。（裏表紙より）