平戸三川内焼 大正期 嘉久正(かくしょう)窯 染錦 古伊万里様式 正角銘々皿を出品致します。

三川内焼とは長崎県のやきもの「みかわち焼」です。江戸時代に平戸藩の藩主・松浦公のための器や献上品をつくる「御用窯」を設け、採算を度外視した手の込んだやきものを残してきました。明治時代以降になると、輸出や国内に向けた繊細な細工や造形を制作して人気を博していました。この「手間をかける」精神は現代に至るまで連綿と受け継がれています。江戸時代から明治・大正・昭和を通して、現代にも続いています。

嘉久正窯について公式が正しいので下記に記します。

平戸藩御用窯の創立に力をなした中里茂右ヱ門（もえもん）を祖とする、350年前から続く窯元です。三代目茂ヱ門の三男が里見と性を改め、藩御用窯として技術の研鑽に励み、三川内焼の中で、最も代表的な伝統技法の一つである手描きの染付（青華）技法を継承してきました。
(嘉久正窯より抜粋)

その中でも、大正期に製作された嘉久正窯の作品は群を抜いて美しく、技術も高いものです。
まず断定して言えるのは探しても見つからない貴重な器です。

染付で描かれた波の濃淡の出し方をみて、職人の熟練した運筆のレベルが一目で分かります。線の描き方も、さらりと描いており筆に染み込ませる呉須の量を理解していないと描けません。
胴部に渡り草花文であしらった文様がお皿の表裏で楽しませてくれます。


特筆すべきは、狛犬、鯉を上絵で描いたところです。狛犬には七宝文様を、鯉には青海波を施した作品は縁起が良いことを表しています。また、古伊万里調に描いた本作品は有田焼を意識した作品です。時代観点から、

江戸末期から明治にかけ、三川内焼の技術力と海外からの高い評価を知った有田の豪商・久富与次兵衛は、天保12年（1841年）から三川内焼を注文し、その製品に有田で赤絵を加えて、有名な「蔵春亭三保造」銘の製品を輸出をしています。

そういった背景を大正時代にでも大事にした作品と言えるでしょう。

嘉久正(かくしょう)で銘が角正です。

サイズは写真の通りです。
よろしくお願い致します。

※三川内焼がないので隣町の有田焼で設定


形···角皿

素材···陶磁器/焼物

形···角皿

アイテム 種類···取皿