中国紫砂陶芸界の巨匠蒋蓉氏の款が入った「蔓枝提梁（蔓の枝の梁）」と呼ばれる急須です。紫砂陶芸家として知らぬ人はいないほど著名な彼女は、日本で言ういわゆる人間国宝の称号を受けた方です。また日本でも有名な当時の周恩来首相が東南アジアを訪問した際、相手国首脳へ彼女の作品が贈り物として贈呈されました。のちに多くの傑出した紫砂陶芸を代表する弟子達を輩出しています。既に2008年に逝去されていますが、人気の高い彼女自身の作品は中国で数百、数千万というとてつもない価格で市場にでています。人気の高さからか現在彼女の作品を模した現代作成の急須も多く見られます。



このユニークな急須はそうした急須の一つですが、蔓枝を急須の取っ手に、胴を瓢箪形、草木や小さな瓢箪をちりばめた急須で見ているだけでも楽しい急須で、存在感も感じます。



＊蒋蓉（1919年 - 2008年2月19日）：別号林鳳、紫砂茶器制作の名手。中国紫砂工芸世界の巨星。陶器制作で生計を立てていた両親のもと江蘇省宜興市の陶芸家の家に生まれる。 1940年上海にて叔父の江宏高と一緒に紫砂のアンティーク作品を作り始め後故郷に戻り紫砂陶芸に没頭する。中華人民共和国の成立後、宜興県人民代表に選出、1955 年蜀山陶磁器生産協同組合（宜興紫沙工芸工場の前身）に入社。 1956 年江蘇省人民政府によって、後に「紫砂の七長老」として知られる 7 人の技術顧問の 1 人に任命される。彼女は、紫砂の七長老中の唯一の女性。多くの優秀な弟子を輩出している。1989 年上級美術工芸家の称号を授与され、中国美術工芸協会の会員および江蘇美術工芸協会の名誉理事を歴任。1993年には「中国美術工芸大師」称号を授与される。 2006 年江蘇省文化局は無形文化遺産の表的な継承者の第一期生の一人に指名。同年中国美術工芸協会より「中国美術工芸生涯功績賞」を受賞。 2008年2月19日病気のため90歳で死去。



仕様：幅：15cm、高さ：18cm

容量：480cc

材料：段泥

箱付。