愛くるしい蜻蛉（とんぼ）と流れる雲が描かれた染付蜻蛉絵ぐい呑み３個です。



澄んだ白、紺の染付磁器とは少し異なり、黄色がかった器の色合いと黒味をおびた染付絵に味わいを感じます。

ぐい呑みの表面には、製造由来の貫入と呼ばれる細かなヒビ、小さな黒点などがみられますが、使用による汚れやキズ、欠けやヒビなどはほとんどなく、未使用に近いと思われます。

ぐい呑みの器や染付絵の色合いから、安南（あんなん）？か、安南写し？かと思われますが、どうでしょうか。

外観からは古物感は余り感じません。裏印などは見られず窯元や陶芸家は不明です。



ちなみに、安南とは、中国の陶磁器の影響を受けて発展してきた、ベトナムの陶磁器のことで、日本とベトナムの間には室町時代末から江戸時代に掛けてかなりの交易があり、多くのベトナム製陶磁器が我が国にももたらされた。特に縁起物のトンボを描いた安南蜻蛉は、かつて日本の茶人に古くから好まれていた、と解説が。



大きさ（㍉）、重さ（㌘）、容量（㏄）およそ次の通りです。

【器１】高さ４９、口外径７３、口内径６７、底径３１、高台６／重さ７２、容量（縁近）７０／

【器２】高さ４８、口外径７３、口内径６６、底径３０、高台６／重さ７５、容量（縁近）７０／

【器３】高さ４８、口外径７０、口内径６５、底径３３、高台６／重さ６７、容量（縁近）７０／



素朴で味わいのある蜻蛉が描かれた、安南？、安南写し？と思われるような、染付蜻蛉絵のぐい呑みです。汚れや傷もほとんどなく、使用感はほとんど感じられません。洗浄の上、酒器、茶器、料理小鉢などに使っていただければ幸です。