モーツァルト　2枚組

disc1

①ヴァイオリン協奏曲 第1番 変ロ長調 K.207

②ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218

③ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ長調 K.211

disc2

④ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216

⑤ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219「トルコ風」



アルテュール・グリュミオー（ヴァイオリン）

指揮：コリン・デイヴィス

ロンドン交響楽団　

録音：1961、62、64年（ステレオ）



グリュミオーとハスキルのコンビによるモーツァルト：ヴァイオリン・ソナタ集同様、グリュミオーのまさに全盛期の演奏です。デイヴィスとロンドン交響楽団もまさにいぶし銀の名演で裏方をしっかり支えていて、演奏全体としての完成度や雰囲気も満点です。モノラル時代の旧盤を好まれる方もありますが、総合点ではやはりこのステレオ録音盤を採るべきでしょう。グリュミオーが手にしているのはストラディバリウス『ティティアン』という名器、豊穣で柔らかな音色は「美音」という形容だけではたりません。



豊潤で艶やかな音色を駆使したグリュミオーのスタイリッシュなヴァイオリンが冴え渡る名演。彼の持っている洗練された音楽性が、自然にその曲想に反映するような音楽においては最良の効果を発揮する顕著な例がこのモーツァルトの協奏曲集です。それは同じ世代のヴァイオリニスト、シェリングとは好対照を成していて興味深い。後者の場合は自然発生的な音楽の発露としてではなく、むしろ構築され練り上げられていく表現だから。確かにポルタメントをふんだんに取り入れた、ロマンティックなグリュミオーの歌い口は、たとえ彼が当時モーツァルトのスペシャリストであったとしても、来たるべき時代のモーツァルトの解釈とは言えないでしょう。しかしそれは独特の説得力があり、理屈抜きで彼の奏法に引き込んでしまう魅力を持っています。コリン・デイヴィス率いるロンドン交響楽団の潔く速めのテンポがグリュミオーのソロを極めて効果的に支えているのも特筆に値します。



国内盤、帯無し、プラケースすれあり　33

disc2に微すれありますが再生問題無し

【オリジナル・ジャケット盤】



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