西陣の誉田屋の小石丸の訪問着　反物　新古品です。

暈しが入った訪問着で、いったん仮絵羽で仕立てられ、反物に戻されたものとみられます。

反端には、誉田屋のマークとともに、「波地平家納経文様」「寶乃繭（たからのまゆ）小石丸」と織り出されています。　

地文は波に花の文様で、控えめながら上品で縁起の良い柄ですので、結婚式やお祝い事など、どのようなフォーマルのお席にでも立派にお召し頂けます。

幅　38.2cm
長さ　18m超　
　　　（全長18mほどなので、八掛まで取れると思います。多少の誤差はお許しください）

パールトーン加工済み

お色はアイボリー、油色（茶色がかった薄い黄緑）から茶色までの落ち着いた色味の暈し、グラデーションです。

小石丸は、皇室の御養蚕所で大切に育てられている「蚕の品種名」で、細くしなやかで美しい光沢を放つ最高級の絹糸を生み出します。
「誉田屋源兵衛」は小石丸が一般に解禁されたのを機に製品化にいち早く着手しました。
小石丸は育てるのが非常に難しく、今となっては「幻の絹糸」となってしまいました。

こちらの反物は長らく保管されていた新古品で、「特別記念価格　980,000円」の値札がついたままとなっています。

誉田屋さんは今でもこちらのような地紋がたっぷり入った美しい小石丸の着物を販売されていますが、価格は百万円を優に超えます。拝見したことがありますが、滑らかな光沢があって一目見ただけでも普通の着物ではないことはすぐにわかるほど美しいお品です。

反物には、みみ（端）部分に仮絵羽に仕立てた際の印は付いていますが、目立つダメージはみられず、とても良い状態です。

その艶やさとしっとりとした手触りは、まさに「宝の絹」という名に相応しく、他の追随を許さない素晴らしい織物です。
今となってはなかなか入手が難しい最高級のお品と思います。