ブラームス

①交響曲第2番 ニ長調 op.73

②ハイドンの主題による変奏曲 Op. 56a



指揮・ヘルベルト・フォン・カラヤン

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音：1986年6月①、 1983年2月②　ベルリン



ブラームスの「田園交響曲」とも呼ばれる、晴朗な叙情性と豊かな楽想に溢れる第2番。巨匠カラヤンが手兵ベルリン・フィルを指揮したこのアルバムは、計3回を数えるドイツ・グラモフォンへのブラームス交響曲全集の最後の録音からの一枚で、カラヤンが晩年に到達した円熟の境地を示した指揮ぶりが印象的です。第1楽章は少し鼻に詰まったような弦の歌いだし、以降いかにもベルリンの骨太のカシッとしたうねりが始まる。隆起する場面では金管も含めためらいなく強奏する。やりすぎではと思うほど強靭である。サイトウ・キネンも力強いと思ったが、こちらはやはり人種の違いを感じる。第2楽章は少し力が抜けてほっとする、のもつかの間木管やら金管が咆哮し音が飽和する。第3楽章こそつかの間の安らぎだ。終楽章は待ってましたとばかり最初からオケが全開である。粘りながら大きな音を出す。インテンポで押し通す頑固で壮大音響。実演で聴いたら絶対ウォーっと絶叫が起こるだろう。



ブラームスの交響曲第2番。第1番と比べてみると全体的にゆったりとしていてやや遅めのテンポで進行していく第2番。その中でベルリン・フィルの各楽器が奏でる音色の存在感がしっかりと出ている印象を受ける。ダイナミクスの変化やテンポチェンジの際により効果的なものを聴くことができる。テンポにやや重さが加わったことによって音にも存在感が感じられる。



牧歌的で親しみやすい音色となっている「ハイドンの主題による変奏曲」、重厚的な弦楽器を土台として木管楽器が軽快かつ明るい音色で演奏をしている。それによって自然と聴きやすい形が出来上がった。また、オーケストラ全体の透き通るように美しい音色も注目できる。ダイナミック・レンジの幅広さや奥行きがしっかりとあるので編成もそこまで大きい曲ではないのだが、これまで聴いてきた同曲録音と比べても音の広がりをしっかりと感じることができる「ハイドン変奏曲」となっている。



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