谷沢 永一（1929- 2011）大阪市出身
　文芸評論家、書誌学者。関西大学名誉教授。専門は日本文学
1980年、書評コラムを集めた『完本 紙つぶて』でサントリー学芸賞
1997年、大阪文化賞
2004年に第55回読売文学賞研究・翻訳賞2006年『紙つぶて 自作自注最終版』で毎日書評賞を受賞


人間通
新潮社　1996年3月第8刷
四六判　定価1,100円　212P

　四十代・五十代に至って人生に関する若干の知見を得た。そのたびごとに、もう十年早く脳裡に浮かんでいたら、もっと賢明に生きることができたであろうに、と悔やむのが常でした。この本に書いた事柄はすべて私の遅すぎた納得事項ばかり。それを早めに読者に伝えたいのが本書執筆の動機です・・・著者


冠婚葬祭心得
新潮社　1997年8月初版発行
四六判　定価1,000円　199P

第一章　葬儀
　相続税：生存中に所得税を支払い続けてきた、収入に見合う納税はすでに済ませている。ゆえに相続税の本旨は二重取りである、故人が他人より余計に富を積んだのは、人一倍努力をしたゆえである。　ではなぜ二重取りが容認されているのか、税は人間の努力に対するあざ笑いだと考える 。
第二章　婚儀
第三章　人生の節目Ⅰ
第四章　人生の節目Ⅱ
第五章　交際
第六章　贈答
　歳暮：お歳暮に決して忘れぬよう心掛けるべきは、かかりつけの医者への付け届けである。どんな名医でも初見の患者から体質や病歴を読み取ることはできない。懇意の医者はくれぐれも大切にしなければならない。　若いうちは医者のお世話にならないが、今になってそう思う。
第七章　会合

　冠婚葬祭の本は世俗の儀礼の守り方を説く俗っぽいものだが、この心得帖は面白
い。実用書と同時に、著者の生涯にわたる身辺随筆だからであろう。
知恵の書だと感じた。・・・阿川弘之


知らない日本語
教養が試される341語
幻冬舎　2003年7月第5刷
四六判　定価1,400円　359P

　この本の主題は言葉の探索、しかし、他の言葉の本とは目的が少し違う。言葉の意味を知ることに違いはないが、この本は言葉の詮索を手段として、人間を知る。世間を知る。生きてゆくうえでの智恵を深めていこう、賢くなろう。

　経年によるしみがあります、写真をご覧ください。

　古書籍にご理解いただける方の利用をお願いします。