「世界 2023年10月号」
定価: ￥ 935

★出版社の紹介文より

【特集1　瀕死の1.5℃目標──政治よ目覚めよ】
　突き刺すような日差しが降り注いだ今年の夏──。猛烈な暑さの背景には地球温暖化がある。いまや世界中を熱波、旱ばつ、豪雨、台風などが襲い、異常気象によって生命や生活の基盤を失う人々が増えている。
　私たちの命を脅かす気候危機を前に、国際社会は「1.5度目標」を定めた。しかし、現状では、その達成は限りなく難しい。さらなる異常気象に見舞われる世界へと、「気候の時限爆弾」が今もその針を進めている。
　個人の努力や取り組みをはるかに凌ぐスピードで、危機は進行している。政治による社会の仕組みの転換がなくては、もはや対応は不可能だ。気候危機を政治の中心に位置づけよう。地球上に無関係な人はひとりもいない。
　危機に対処し、より公正な社会を目指して、どれだけ急速に舵を切ることができるのか？　私たちの現在地と目指すべき方向を見つめる。

【特集2　日本政治の底──ポスト岸田の論点】
　「何をやりたいのかがよく見えない」──。岸田政権について、よくそう指摘される。一方で、岸田政権は「聞く力」を標榜しつつ、戦後日本の国のあり方を大転換していくような決定を、充分な議論もなく次々と行っている。
　その岸田内閣の支持率が低迷している。首相は一時、「六月解散・総選挙」を狙っていたとされるが、自民党の支持率も低下しており、いますぐに解散を行うことは困難になったといわれる。しかし、対する野党への期待が高まっているわけでもない。勢いがあるといわれる日本維新の会も「第二自民党でいい」、国民民主党も「自民党のアクセル役になりたい」などとそれぞれの党の代表者が発言しており、野党が本来の役割を果たして、政権与党を厳しくチェックし、国会で論戦を戦わせるという構図は期待できない。
　安倍氏なき後、日本政治は対立軸を見失い、漂流状態にある。岸田政権をどのように捉えたらよいか。この政権にもどかしさを感じるのはなぜか。有権者は何を求めているのか。政治の劣化を食い止め、あるべき姿を取り戻すために、どのような「改革」が必要か。

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