長期自宅保管のため日焼け、表紙の擦れシミがなどが認められます。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。 他の商品と同時購入希望の方は送料が節約できる場合、割引ができることがあります。その場合は購入に進む前にコメントください。



物語の時代設定は2075年（成慶５８年）で、日本は幾多の災害や経済危機を経て高度管理社会となっています。先ずは完全階級社会となっており、国民は特A級からM,N級までランク付けされ、出産数まで制限を受けています。その下には余剰市民という、モルモットのように実験台となるために生かされている人々もいて‥。



　最高裁の裁判官・斎藤総一郎は特A級のエリートです。ところが裁判のコンピュータ化により職を失い、官吏の嫌がらせに抵抗しているうちに、余剰市民にまでランクを落とされ、実験的に建設された東京湾上の浮島に強制移住させられます。そこで農耕しながら余生を暮らそうと考えていましたが、またまた国家の陰謀でとカには毒ガスが眠っているナリタ地区へ移されそうになるのでした。これに対して、反抗する浮島住民たちと原子力発電所と、原子爆弾を自主制作した斎藤氏はついには国家に対して独立宣言を行い、自分たちを苦しめる日本の国会議事堂に核を打ち込むに至るのでした。



　直木賞を貰った「女たちのジハード」のすぐ後にかかれたもので、どちらも社会に対するアンチテーゼ、アンビバレンツな作品ですが、前者は硬派の作品、本作は荒唐無稽なSF設定というところのギャップが面白すぎます。