新古典主義的指揮の「家元」トスカニーニは慶応3年生まれ。正確な機械のように力強く、拍子をはっきり振ってぶれない。こうした合理的でリズムの立った芸風は、ジャズやロックが大好きなアメリカに熱狂的に受け入れられた。その時彼は既に62歳。本人がと言うより時代が変わっていた。

①は意外にもトスカニーニ唯一の録音（カーネギー・ホール）。輝かしい緊張感が持続し、熱っぽくダイナミックで本人最高の名演のひとつ。いっぽう②は2回スタジオ録音しているが、このCDの第一楽章は1946年、他は1940年録音を採っている（本人の希望、理由不明）。なぜか拍手が入っている。①②を聴き比べるとホールの響きの差がモノラルでもくっきり。（②は反響がほとんどなし）

アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団

サン＝サーンス

①交響曲第３番ハ短調作品78「オルガン」（1952年モノラル録音）

フランク

②交響曲ニ短調（1946年、1940年モノラル録音）

RCA国内盤（1997年製造）

帯をシールでケースに貼り付けています。ご理解のある方の検討をお願いします。