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女流作家によるイヤミスアンソロジー。「あなたの不幸(涙) は蜜の味」という題名が本当に素晴らしい。



あなたの不幸は蜜の味

「石蕗南地区の放火」辻村深月

笙子はハイミスのOL。かつて付き合いかけた消防団の男・大林がいて、生理的に受け付けないキモさであるため疎遠になっていました。ある日実家の近くで不審火があり大林と久々に顔を合わせることになった。笙子は大林が自分に会いたいために放火したのではないかと、独りよがりなプライドを満足させるのですが…。

「エトワール」沼田まほかる

主人公は妻帯者吉澤と不倫中。年上の妻に離婚証明書にサインさせるところまでこぎつけるのですが、彼女について悪びれた様子がなくまだつながっているのではないかと嫉妬と敗北感を感じる主人公です。奈緒子は、一体どんな人物なのかー。

「祝辞」乃南アサ

敦之は婚約者の摩美から、親友である朋子を紹介されるが、その翌日から、朋子が失語症になってしまいます。精神的なものが原因であり何とか智子を元気づけようと2人は頑張って、やっと回復する朋子です。そして敦之たちの披露宴での祝辞を朋子が語るのですが。

　他に「おたすけぶち」 宮部みゆき、「実家」新津きよみ、「贅肉」小池真理子を併載



あなたの涙は蜜の味



『福の神』宇佐美まこと



冴子の過程は災難続き。しかし福の神が味方に付いたことで人の不幸を踏み台にして運気が上昇します。



『コミュニティ』篠田節子

郊外の安い団地に引っ越してきた夫婦。団地の住人は下層階級。でも親切でいい人達。そして彼らは、住人同士の結びつきが異様に強くて・・・



『口封じ』乃南アサ

身持ちが悪くガサツな主人公の仕事は病院の付添婦。そこに入院してきたのが近所に住む主婦。主人公のことをいつも馬鹿にしていたその人です。寝たきりの患者に主人公の残酷な復讐が始まります。



他に『パッとしない子』辻村深月、『北口の女』王谷晶、『ひとりでいいのに』降田天 、『裏切らないで』宮部みゆきを併載。