パソコンにダビングして聞いていたため、１回のみの使用。

奥じまいしていたため、色あせ等もなく、開封時のきれいさを保っています。

日本盤。帯、解説完備。



「レビューより」

・レオンハルトのチェンバロ演奏で1972、1973年録音。

メロディアスな曲はとても美しくてつい聴き惚れてしまいます。

音の万華鏡って感じで高度に完成された音楽。やはりバッハはすばらしい。

チェンバロの音色は、良い味出してます。



・本作品をチェンバロで弾くうえの標準的演奏と言える録音だ。「標準的」というのは、水準を満たしている、という意味ではない。本アルバムに達しないレベルの演奏がほとんどだからである。

　レオンハルトはなぜか第二巻の録音を先行させ、この第一巻を後回しにした。しかしレオンハルトの演奏スタイルにはほとんど差は見られない。そして第二巻よりも第一巻のほうが音楽のクオリティが上の分、それだけレオンハルトの演奏の威力が発揮されていると言えるだろう。

　ピアノ演奏のような派手さはないが、「どうして不自由なチェンバロをわざわざ使うのか」という問いに対して十分な解答を出している名演である。



・平均率クラヴィーア曲集は第1巻のほうが人気がある。それは、第1曲と最終曲が、現代人の考える美学に合っているからだろう。第1曲プレリュードは誰もが知っている有名曲。対して最終曲は、コレッリ風トリオ・ソナタの書法のプレリュードに、フーガ主題はオクターブ12の音全てを使い、なおかつ「十字架音形」を含むもので、壮大に展開され、まさにクライマックスを築く。私とてこの曲は大好きだが、クライマックスが最後に来るというのは、ベートーヴェン以降の美学なのであり、その価値観から評価するというのには賛同しかねる。24曲の前奏曲とフーガそれぞれが個性を持ち、小宇宙を形成する。これがすなわちJ・S・バッハの宇宙観なのである。その宇宙の象徴として最終曲があるのである。

レオンハルトは、当時の美学はもちろん、バッハ特有の音象徴の数々(十字架、ため息、喜び、等)をさりげなく表現する。そのため、最終曲も過度に重たくしない。オケゲム、J・S・バッハ、ベルクのような数秘学系作曲家は、さりげない心配りが不可欠である。古楽としてJ・S・バッハの作品を聴くには、レオンハルト以上の人材はまだいない。