「もう頬づえはつかない」

著　者：見延典子
発行所：講談社
発　行：昭和53年第1刷発行
　　　　昭和55年第19刷発行
定　価：750円

ご覧いただきありがとうございます。

当時学生作家としてベストセラーとなった作品です。卒論として執筆し、「早稲田文学」に掲載され、卒業後講談社から発行され50万部のベストセラーに。その後、桃井かおり主演で映画化され、ヒットした作品です。

大学の卒論に自作の小説を出すのも凄いと思いますし、またそれがヒットするところもすごい。

今から45年程前、自分も青春まっただ中の時でした。

同世代の活躍に自分もいつかはと思っていましたが、ありふれたサラリーマン生活となりました。

読み返すと、昭和50年代の学生の生活がわかります。
部屋代やバイトの時給
服装、人気芸能人、ピンク電話（最近見ないですね）

随所に生活感のある表現があり、今と比較すると結構面白いです。

女性の立場から本音の言葉で綴られています。若い女性が赤裸々に性描写を描くことはまだ抵抗があったと思いますが、決していやらしくなく、淡々とあるがままに表現しています。
それは現在まで続く女性の解放へとしっかり継承されているのではないかと思います。

あの頃からもう「ピル」があったのですね。

今もある男女の関係。2人の男に揺れる心。普遍的な男女間の問題を提起しています。

そして妊娠。

望まれたことか、望まれないことなのかその決断を迫られます。

そうした主人公への思いをめぐらしながら読むと若者の苦悩と挫折、とても感慨深い気持ちになりました。

是非読んでみてください。

※なにせ古い本ですので焼けがありますことは、ご了承下さい。
※中は線を引いたりしてないので
きれいだと思います。

どうぞよろしくお願いします。

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