「細雪 」
谷崎 潤一郎

上
大阪船場に古い暖簾を誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様の中に、昭和十年代の関西の上流社会の有様を四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹の内で一番の美人だが、縁談が纏らず、三十を過ぎて未だに独身。幸子夫妻は心配して奔走するが、雪子はどの男にも賛成せず、月日が経ってゆく

中
雪子と対照的に妙子は自由奔放な性格で、男との恋愛事件が絶えず、それを処理するためにも雪子夫妻は飛び回らざるをえない。そんな中で一家は大水害にみまわれ、姉の鶴子一家は東京に転任。シナでの戦争が日ましに拡大し、生活は次第に窮屈になっていくが、世間の喧噪をよそに、姉妹達は花見、螢狩り、月見等を楽しんでいる

下
三十五歳になった雪子は、やっと貴族出の男との縁談が纏まり、結婚式に上京する。他方、バーテンと同棲した妙子は死産してしまい、明暗二様の対比の内に物語が終わる。『源氏物語』の現代語訳を成し遂げた著者が、上方文化の中にその伝統を再現しようと、戦争中の言論統制の中で書き続けた記念碑的大作

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シールの剥し残しが3冊ともあります。
経年劣化によるヤケがもありますが、
中はとても綺麗なので、読書をするには問題ないかと思います。
丁寧なお取引を心がけています。
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