モーツァルト

レクイエム ニ短調 K. 626 【バイヤー版】



指揮:レナード・バーンスタイン

バイエルン放送交響楽団

ソプラノ：マリー・マクローリン、マリア・ユーイング

テノール：ジェリー・ハドレー

バス：コルネリウス・ハウプトマン

1988年ライヴ録音



意外にもバーンスタイン初の、そして唯一のモツレクです。バーンスタインの妻の没後10年の記念日に演奏されたもので、晩年のバーンスタインに共通するゆったりとしたテンポで壮麗な響きで演奏されています。これ以上ないくらいの遅いテンポは、バーンスタインの祈りの深さをあらわしています。晩年のバーンスタインにしかできない重量級の演奏ほ、気軽に聴けるものではありませんが、モツレクにどっぷり浸りたい時にはオススメです。



全身全霊で慟哭しているような、物凄い感情の奔流を感じさせる演奏であり、文字通り亡き愛妻への鎮魂歌へと昇華した傑作。第１曲「レクエイム」から――まるでマーラーの交響曲を聞いているように――遅いテンポで、異様な緊迫感と濃厚な情念が滾る演奏が展開する。バーンスタインはあくまで〈歌〉を核に据え、オケは伴奏に徹しさせているようで、男声合唱は重厚に、女声合唱は澄んだ軽やかに響きで歌わせていて、濃厚であっても決して鈍重ではなく、全体にうねりがあって迫力が途切れない。通常の演奏では、これ以後の楽曲が付け足しのように感じてしまうのだが、本演奏においては緊張感が途切れず、とりわけ終曲「ルクス・エテルナ」の終結部で、ゆっくりと、少しずつディミネンドする演奏は、まるで舞台照明がフェイドアウトするように、呼吸が途絶えていく様を体現している。聴き手によっては、モーツァルト『レクイエム』のオーソドックスな解釈とは異なる、余りにバーンスタイン色が強すぎる――という見解を抱く人も居るだろう。しかし、バーンスタインがモーツァルトに代わって作品の魂を再現した渾身の力演であると称揚したい。



国内盤【廃盤】帯付き、対訳付き、盤面傷無し

開封済ですが新品に近い美品です　14



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