●江戸明治和本●善悪種蒔金生木［善悪種蒔かねのなる木・金の生木・勧善種蒔集］（3種）往来物

【判型】中本3冊。収録順に縦178・180・177粍。

【作者】不明。

【年代等】文政13年以前作。天保11年刊（『往来物分類目録』）。また別に、［江戸］藤岡屋慶次郎板（嘉永頃板）、［江戸］和泉屋市兵衛板（江戸後期板）、［江戸］森屋治兵衛板（同）等あり。

【備考】分類「往来物」。嘉永年間・藤屋板、江戸後期・和泉屋板、江戸後期・森屋板の3種。本書は、江戸後期に普及した「金のなる木」の教えを説いた往来物。本書の撰作年代は不明だが文政13年写本があるので、それ以前と考えられる。作者も未詳だが、天保9年刊『富貴自在集』には「金のなる木」の記述が見られ、同書によっても普及したものと考えられる。「金のなる木」は、「しやうぢ木（正直）」を最も重要な徳であるとし、これを根幹に、「じひふか木（慈悲深き）」「よろづ程のよ木」「ゆだんのな木（油断の無き）」「かないむつまじ木（家内睦まじき）」「しんぼうづよ木（辛抱強き）」「ようぜうよ木（養生良き）」「いさぎよ木（潔き）」「ついへのな木（費えの無き）」「あさお木（朝起き）」「かせ木（稼ぎ）」の10の徳の枝を合わせたもので、富裕になるための秘訣の象徴とする。本往来は、「凡、世界に生し者は、貴き賤きおしなべて、無病長命富貴をば、誰しも願事なれど…」のように七・五を1句とする合計213句の文章で「金のなる木」の教えを概説する。本文を大字・6行・付訓で記す。

★原装・題簽付・状態良好。

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