2008年　143P
　
ごあいさつ

金は、輝かしい色彩とやわらかくて加工しやすく、腐食しにくいという特性を持ち、貴重な金属として古くから人々を魅了してきました。日本では、古墳時代の副葬品をはじめ、仏像、工芸品や絵画、貨幣など歴史上の文化財にも多くの金が使われてきました。現在では、宝飾品やエレクトロニクス関連を主体にさまざまなものに利用されています。

マルコ・ポーロが『東方見聞録』に「黄金の国ジパング」と記した国は果たして日本だったのでしょうか。12世紀における金生産量が世界の中でどれほどであったかは不明ですが、この時代の日本では、東北地方産出された金が主に仏教関連や海外貿易に使われていました。かつて日本各地に金山が存在し、戦国時代から江戸時代前期、及び明治時代中期から昭和のはじめには世界でも有数の金産出国でした。日本は金の豊富な国だったのです。

現在の日本の金生産量は、年間約9トンしかなく、世界の生産量と比べるとわずかな量です。しかし、東京、京都、金沢をはじめ、大都市を流れる河川でも砂金を採ることができます。日本列島の地下では、火山活動によって今も金鉱床が作られています。

本展は、金-GOLDの総合的な展覧会です。金の化学的・物理的特性、自然金や金鉱石、古墳時代から江戸時代の文化財、現代の工芸品、及び金のリサイクルまで、多様な金資料を一堂に紹介します。金をテーマとして、自然科学の分野と文化財、先端技術を同時に紹介するはじめての試みです。金について多面的に理解していただくとともに、その美しさを十分に堪能していただきたいと思います。

最後になりましたが、本展開催にあたり貴重な資料をご出品いただきました関係各機関、所蔵家の皆さま、ご後援、ご協賛、ご協力を賜りま した関係各位に厚くお礼申し上げます。

主催者

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷。ページ小黄ばみ。もちろん読む分には問題ありません。37081

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。