コーラン　（全三冊）

出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 　井筒 俊彦 (翻訳)



出品物の出版年

(上) 第五刷　昭和39年(1964)8月16日

(中) 第一刷　昭和33年(1958)2月25日

(下) 第16刷　昭和56年(1981)1月10日



カバー背少褪色 小口ヤケ 本文普通　所々薄い赤線(写真参照)



著者の解説から

「神憑りの言葉。そうだ、『コーラン』は神憑りの状態に入った一人の霊的人間が、恍惚状態で口走った言葉の集大成なのである。だからそこに説かれているのはマホメットの教説ではない。マホメットではなくて、マホメットに憑りうつった何者かの語る言葉なのである・・・マホメット自信が一人称で語るということはいつの場合にも絶対ない。マホメットは第二人称であり、話しかけられる相手である。」(上巻解説)



口語訳を試みた著者の願いは「『コーラン』というこの聖典を、なによりも先ず一個の生きた人間記録(ヒューマン・ドキュメント)として広く一般の読書人に提供してみたいということであった・・・これは一人のたぐいまれな人間がこの世に生まれ、生き、悪戦苦闘したなまなましい記録である。悲しみも喜びも、愛も憎しみも、夢も希望も、欲望も、一切がありのまま。短所も欠点もすべてあけすけに、むき出しにそこに転がっている。しかも雑然たるそれら一切の混乱の中に、何ものにも屈せぬ強靱な意志と、純粋無雑な宗教心が高く高く聳え立っている。」(下巻 解説より)