1970年代、日本製の安くて正確なクォーツウォッチが世に広まり、瞬く間にスイス時計のシェアは縮小しました。俗にいう、クォーツショックです。これを危惧したスイス時計業界から、薄型のクォーツムーブメントと安価なプラスチックケース、そして若者に受け入れられるデザインを融合した『スウォッチ』が開発されます。手を出しやすいリーズナブルさに加えて、信頼の置けるスイス製であること、さらに定期的なデザインのイノベーションによるバリエーションの豊かさから、日本でも1990年代に大ブームを巻き起こしました。ファッションウォッチをリードする存在であり、リーズナブルさを守りつつ、著名デザイナーとのコラボや機械式ムーブも誕生するなど、注目のモデルを次々に発表してきました。最近ではオメガのスピードマスターとのコラボが話題になりました。
今回出品しているのは、スウォッチ アイロニー クロノ レトログラード。スウォッチの高額ラインで3〜4万円台です。スウォッチでは珍しく風防にサファイアガラスを採用し、ストップウォッチの針の動きが独特です。針が後退（レトログラード）するギミックを備えたクロノグラフで、文字盤の2時位置には5分計を配置し、30秒ごとに針が動きます。そして4分59秒になると針が瞬時に0の位置まで戻り、これを5分ごとに繰り返します。10時位置に設けられた60分計も同様に、59分59秒になると一気に0の位置まで針が後退します。中央の秒針は30秒計となっており、3時から9時位置までの180度しか針が回らず、29秒を示すと0まで戻る仕様になっています。6時位置にはノーマルな60秒計です。
状態ですが、目視する限り風防に傷はありません。ケースや裏盤、ベルトには使用に伴う擦れ等はありますが、中古品に理解がある人なら良品の部類に入るかもしれません。付属品は余り駒2駒のみ。こちらを足して17.5㎝位です。割りピンが劣化で半分に割れているものもありますが、重ねて使用すると問題ないです。気になるのであれば地域の時計屋なんかで数百円で入手出来ると思います。正式な型番は不明ですが、YRS401やYRS400辺りが近いです。コイン類でクルクルとネジを回せば簡単に電池交換も可能で、維持費もほぼかかりません。スウォッチは時計業界では知名度もあるので、高級機のサブでもメインでもOK (^^)この機会にゲットしてみては？