ジャン・イポリット　著　市倉宏祐　訳
上下巻セット。

劇的な展開により読む者を魅了する哲学書『精神現象学』。とはいえこの書物は、哲学史上最も難解なものの1つでもある。ヘーゲル哲学の土台をなすこの著作をその体系の中にどう位置づけるべきか。原著の構成順に従ってヘーゲルの思考に寄り添いつつ内容を詳細に解説し、その全般的特質を明らかにする。名著の誉れ高い研究書。

第１部　『現象学』全般に関して（『現象学』の意味と方法；歴史と『現象学』；『現象学』の構造）
第２部　意識、あるいは概念の現象学的な生成（感覚的確信；知覚；悟性）
第３部　自然的な自己意識から普遍的な自己意識へ（意識から自己意識への移行；自己意識と生命、自己意識の自立性；自己意識の自由、ストア柚木とスケプシス主義；不幸なる意識）
第４部　現象学的様相における理性（理性と観念論；自然の観察；人間の個体の観察；人間の仕事と行為の弁証法）

第５部　精神、精神的実体から精神の自己知へ（直接的なる精神；精神的“自己”の第一の形式；教養と外化の世界；「“啓蒙”」、あるいは人知と迷信との闘争；絶対自由と“恐怖”、精神的“自己”の第二の型）
第６部　精神の自己知から絶対精神へ（道徳的世界観；自己確信的精神、“自己”あるいは自由（精神的“自己”の第三の型）
宗教、神秘主義かヒューマニズムか）
第７部（結論「現象学」と「論理学」、絶対知）