※アガサ・クリスティーの生み出した、夫婦で探偵を務めるおしどり探偵コンビ♪

　プルーデンス（タペンス）は牧師の娘で、グレーの大きな瞳にまっすぐな黒い眉、勢いよくカールしたもじゃもじゃの黒髪が特徴的で、見るからに意志の強そうな顎を持ち、決して美人とは言えないものの、個性と魅力に溢れ、陽気で楽観的な性格で好奇心が非常に強く行動的で直観力にも優れています。
　夫トーマス（トミー）は赤毛の好青年で、常識的な判断力を兼ね備え、慎重に考えて行動するタイプであり、活動的なタペンスのストッパー的役割を果たします♪

　元々二人は幼なじみでしたがやがて離れ離れとなり、しばらくして第一次世界大戦が勃発。トミーの方は情報部に所属し軍人として活躍していましたが、復員後は職探しに奔走する毎日・・
　一方タペンスの方は第一次大戦中は雑用係から看護婦として・・

　第１作「秘密機関」は、この二人がロンドンの地下鉄の入り口前で偶然出会う所から始まります♪
　そこで二人は「青年冒険商会」の名で職を求める新聞記事を掲載しようと目論見ますが…偶然から、そこから二人はスパイとして活躍することとなり、二人の恋愛はスリルとサスペンスに満ちた事件とともに・・

　続編の短編集「おしどり探偵」では、素人探偵として事件を解決していきます♪
　探偵の素養のない二人が自分たちが読んだ有名なミステリとそこに登場する名探偵たちの手法を参考に「探偵ごっこ」を繰り広げるという興味深い設定で・・♪
　作中で登場する探偵は、シャーロック・ホームズからソーンダイク博士、ブラウン神父、隅の老人、思考機械、フォーチュン氏、ブルドッグ・ドラモンド、ガブリエル・アノー探偵にフレンチ警部、ロジャー・シェリンガム、そして我らがエルキュール・ポアロ…とまさに豪華絢爛です♪
　どの作品が誰の真似をしているか？なんて♪
　興味は尽きません♪

　続いて1941年の「NかMか」、1968年の「親指のうずき」と単発的に書き継がれます♪
　シリーズの最終長編「運命の裏木戸」はクリスティーが最後に書いた作品（ポアロ最終作「カーテン」とマープル最終作「スリーピング・マーダー」はいずれも第二次世界大戦頃に書かれていた作品）、このことからもクリスティーがこのおしどり夫婦に並々ならぬ愛着を抱いていたようです♪

　古書レベルとしての本の状態は概ね良好かと♪