20年ほど前に中国の蘇州の刺繍工房にて作者の王麗華氏から直に買い求めたものです。

当時から超絶技巧による刺繍作品を多数制作しており、その作品は何れも写真ではないかと勘違いするほどのリアリズムで高い評価を得ていました。そして、現在ではその技量は頂点に達し、蘇州の刺繍芸術（「蘇繍」無形文化遺産）の代表的な伝承者となり、さらに中国内でも高名な刺繍作家の一人となっています。



本品は、宗の時代の水墨画家である梁楷(Liang Kai 、c.1140-1210)が描いた「溌墨仙人」（故宮博物院所蔵）を刺繍で再現した額装作品です。原画との違いは、上段の漢詩の最後の印影に王麗華氏の作家印(小判型の印影)が加えられていることです。これにより彼女が手掛けた唯一無二の刺繍作品ということを示す証となっています。水墨の濃淡を様々な色合いの刺繍糸を駆使して表現されていてとても素晴らしい出来栄えです。写真の７枚目と８枚目に糸目の分かるアップを載せていますので、参考にして下さい。



イメージ・サイズ

縦　51.5cm　横　31.5cm

額サイズ

縦　75.5cm　横　56.0cm



作品にシミや汚れなどはなく、額枠にも目立った傷もない、良い状態の額装作品です。

額裏に当時戴いたご本人の名刺が貼ってあります。また、掲載写真の１５枚目の通り、購入の際にもらった紹介パンフも残っていますので同梱させて頂きます(おそらく、現在では大師の一人ですので、もっと立派なパンフレットがあるものと思いますが……)。



中国・蘇州の寒山寺にも作品を残す南宋時代の代表的な水墨画家の作品を模して制作された刺繍作品ですので、刺繍作品に関心のある方だけでなく、中国の歴史や絵画がお好きな方、そして水の古都「蘇州」を訪れたことのある方などなど、本品をお求め頂いてお部屋に飾って楽しんで戴けたら幸いです。



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