非常に個性的な外観の、赤松純松煙の古墨で、存在感が半端ないです。
全体に市松模様が刻まれています。市松模様は江戸時代以前には石畳文と呼ばれていました。
この墨の方眼には石畳文字でも刻まれているかのような、無限の迫力があります。

紀州は日本でも名だたる松煙墨の産地です。
松を燃やして採った松煙は燃焼温度にムラができ、粒子の大きさが不均一になります。
油煙墨の粒子が10〜50ナノメータなのに比べ、純松煙の煤粒子は約20～300といいます。
大きい粒子と細かい粒子が混在し、墨色の幅は広がり、重厚な無光沢の黒から淡墨の青灰色まで幅広い色調が出ます。

本品はにじみの広がりと幽玄な濃墨が美しい、松煙墨の中でも独特な存在感のある逸品です。

松煙墨は、松片をそのまま燃やしますので、煤に地中硫黄分や燃焼時の灰分などが含まれています。そのため古墨では膠の分解が進みます。淡墨では基線がくっきり際立ち、色も青みがかった透明感のある墨色になります。

仮名書道のほか日本画・水墨画・俳画・絵手紙などの淡墨作品に最適です。
定価9,450円（税込）の品です。

サイズ
約113×30×15㎜
重さ 約70ｇ
※新品未使用 桐箱入り。写真が実物です。