『鳥と雲と薬草袋』梨木香歩

新潮社2013年刊 定価1300円



飛ぶ鳥を眺めつつ、その土地を旅する。心惹かれる地名に、その来歴と人々の暮らしを思う……はるかな時を超えて記憶を共有する、滋養に満ちた葉篇随筆。



作家の胸奥の「ものがたり」がはぐくまれる場所に、滋養を与える旅の記憶。４９の土地の来歴を綴り重ねた随筆集。読む者の心もまた、はるばると時を超える。旅に持ち歩く「薬草袋」のなかの、いい匂いのハーブのブーケや、愛着のある思い出のメモの切れ端のような……日常を生きるための常備薬ともなり、魂を活性化する、軽やかな愛蔵本。

（本書カバー帯文より）