「わたしのなかの子ども」
Sybil Wettasinghe / 松岡 享子

〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉

★2011年初版発行の本です。カバー上部にやや傷と、白い紙表紙なので、少し経年のスレで、やや傷や汚れ有りと致しましたが、全体に綺麗な状態です。

　買い物でモールへ出掛けると、必ず寄るのが書店です。そして、いの一番に児童書の新刊コーナーをチェックするのですが、気になる本をその場で購入する事はあまりしません。

　何故なら、ずっと手元に置きたい内容かどうか、本当に気にいるかどうか分からないからです。

　勿論、ご贔屓の作家様なら迷いません。翻訳物なら、訳者様にもよります。それ以外、全くのお初のご縁の時は、うーん、どうしようと悩み、数日後も気になるようならまた買いに行く、という段取り。

　ここで、声を大にして申し上げたいのが、こちらの本は、其れ等の、いつもの手順を全てすっ飛ばして直ぐにレジに走ったぐらい、素晴らしい本だと言うことです。

　作者ウエッタシンハ氏は、元々絵本作家様です。ご自身の幼少の頃のお話をまとめたものなのですが、さすが、挿絵の美しいこと！

アップした挿絵画像をご覧頂くと、絵本？と思われるかもしれませんが、立派な児童文学書です。絵と、文の豪華な二本立て‼️

　漫画の影響を受けない環境で育った人らしい、（漫画がいけないと言っている訳ではなく）童心そのままの純朴な、カラフルな画風。温かいスリランカの、竹林や農園の空気が立ち込めているようです。

　ずいぶん昔のお話の筈なのに、まるで昨日のことを、小さな女の子が嬉しそうに話してくれているような、心が柔らかくなる感覚の文章です。所々出てくる食べ物の美味しそうな描写が、味のある、綺麗な色使いの挿絵とあいまって、思わずヨダレものです。

　心が疲れた時、おやすみ前のひと時、もし読まれるならこれこそお勧めの一冊です。

長期個人保管の古い本です。経年の割に綺麗と存じますが、ややカバーにスレ、傷など御座います。状態はどうぞ画像よりご判断ください。

　古い本にご理解の有る方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。