現在もトップクラスのアレンジャーとしてPOPS界に君臨するCHOKKAKU。彼がメジャーシーンにデビューするきっかけとなったバンドが、広島県出身の本格派歌謡FUNKバンド、FLEXでした。バンドエクスプロージョン世界大会に出場する実力派であった彼らは、ヤマハポプコンで最優秀ヴォーカリスト賞を獲得したこともある長原裕三のパワフルなハイトーンボイスと、CHOKKAKUやBASAMI、矢野のリズム隊のキレがあり安定した演奏力と、キーボードマガジンにも寄稿していたキーボード佐藤剛のシャープなシンセ中心のサウンドでスタイリッシュかつファンキーな楽曲を聴かせてくれました。そんな彼らのデビューアルバムであり唯一の作品となったのが本作です。
本格派ファンクと言われるだけあって演奏力も非常にこなれていますが、彼らの魅力は何といってもキャッチーな楽曲とどこまでも軽快なリズム感と言えます。時にはバンドサウンドでグルーヴィーに、時にはCHOKKAKU自身のセンス溢れるプログラミングによる打ち込みファンクでイメージ以上にサウンドは凝りまくっており、それでいてアップテンポでもバラードでも確かなメロディを持ち合わせているPOPSに対するセンスがデビュー作にして既に抜きん出ていることが想像できます。実はこのキャッチーさを持ち合わせるというのが意外に難しく、この点においてメロディ＆サウンド面で彼らが高水準にあることがわかるのですが、そのスタイリッシュ過ぎる面が80年代からは少々時代遅れの感があり、90年代のメロディ志向のPOPSの全盛期には少し早過ぎたという、時代の狭間にハマってしまった感がある部分が彼らの不幸であったかもしれません。しかし、その後のCHOKKAKUの活躍を見れば、本作はある意味90年代サウンドの先鞭をつけたと言っても過言ではないのです。

1:コールド・ブラッド
2:Hot Shot
3:Gina Gina
4:Dance With The Shadow
5:お願いMr.Boss
6:Rose & The Moon
7:One Shot Lover
8:Temptaion
9:夢でいいのかい
10:Goddess Of Shuffle

長原裕三
CHOKKAKU
BASAMI
佐藤剛
矢野正裕


※傷や汚れは画像をご覧ください。

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