メンデルスゾーン

①ピアノ・ソナタ第1番 ホ長調 作品6

②プレリュードとフーガ 作品35-1

③厳格な変奏曲 作品54

④ロンド・カプリチオーソ 作品14



マレイ・ペライア（ピアノ）

録音：1981、82年



メンデルスゾーン全部で６曲のソナタを作っています。最初の３曲は、1820年彼が11才のときに作曲したもので番号はありません。そして番号が付けられたものが④第１番ホ長調作品６、⑤第２番ト短調作品105、⑥第３番変ロ長調作品106。④は1826年、17才の時に作曲し出版されました。⑤は12才の時の習作ですが、死後の1868年に出版されます。⑥は1827年、18才の時の作品。同じく1868年に出版されました。



ここに収められたピアノ・ソナタ第1番は、ベートーヴェンが1816年に作曲したピアノ・ソナタ第28番に大変よく似ています。この曲の作曲される10年前の作品です。第１楽章の主題は驚くほど似ています。非常に愛らしく可憐な主題です。第２楽章もメヌエット的と行進曲風ということで、リズミカル的な旋律もよく似ています。そして、第３楽章と第４楽章は、ともに切れ目なしで演奏されます。非常に厳粛な雰囲気の第３楽章、そしてそれからピアノがはじけたような勢いと快活な曲が引き続いての第４楽章です。ともに、第１楽章の主題は第４楽章で、場所は違いますが、登場するのも同じです。メンデルスゾーンは、当時の偉大なる楽聖ベートーヴェンの曲を模倣したのでしょう。



非常にきれいな音色で、純粋にメンデルスゾーンのピアノ・ソナタを演奏しています。テンポも一定で、過剰な作為を感じさせるところがありません。第１楽章は素朴ながらとても味わい深いです。第２楽章のリズミカルな主題も少々押さえ気味で、それが却って渋味を増しています。第３楽章は、ゆったりとしたピアノの一音一音が響きます。非常に力を込めたピアノはダイナミックな表現でピアノの音色も美しいです。それから第４楽章に突入。明るさが加わり、一層スケールが大きく、力一杯で透明感あふれる演奏です。それに続くプレリュードとフーガ、 変奏曲、ロンド・カプリチオーゾはさらに聴き映えする佳曲です。



初期国内盤【廃盤】帯無し　12
プラケース少しすれあり

盤面微すれありますが再生問題無し



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