disc 1
1. Lifandi Liv Undir Hamri [11:30]
2. Vetrarnótt [10:56]
3. Miðgarðs eldar [11:15]
4. Heimdallr [6:14]
5. Norvegr [10:57]
total 50:51

disc 2: Hordanes Land
1. Slaget I Skogen Bortenfor [13:09]
2. Allfáðr Oðinn [7:47]
3. Balfár [9:51]
total 30:45

グルトル・キエルソン (vo, b)
イヴァー・ビョーンソン (b, key)
タリム・トーソン (dr)

ノルウェー出身のヴァイキング／ブラックメタル・バンドEnslavedが1994年に出した1stアルバムです。故ユーロニモスが運営するDeathlike Silence Productionsからリリースされました。ここで紹介するのはCandlelight USAが2004年に出したリマスター再発盤。1993年にEmperorと出したスプリット盤「Hordanes Land」との2枚組です。

音楽性そのものはどう聴いてもブラックメタルなのですが、彼らの方向性は他の多くのブラックメタル・バンドとは違うところに向いていました。白塗りのコープスペイントも施さず、反キリストやサタニズムについて歌うこともない。そう、このバンドはキリスト教のことなど始めから眼中になく、故郷ノルウェーの祖先であるヴァイキングや、彼らが信じていた北欧神話の神々を、初期の段階から一貫してテーマとしています。
このバンドの特徴は、その壮大なドラマ性。全5曲中、実に4曲が10分越え。タリムの鬼ブラストや寒々しいトレモロリフといったいかにもなブラックメタル要素と、ノルウェーの土着音楽からの影響をうかがわせる抒情的なメロディを織り交ぜた、起伏に富んだ曲構成。冷ややかなシンセの音色やアコースティックギターによる味付けも絶妙です。ブラックメタル版Opethとでも言うような、プログレ要素も多分に含まれています。

現在のカスカディアン・ブラックを始めとした、自然崇拝ブラックメタルの源流の1つが、このバンドにあります。
#ブラックメタル
#ヴァイキングメタル