長期自宅保管となりますが、写真のように保存は比較的良好です。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。「見張り塔からずっと」は裏表紙に傷があります。また次の春へはカバーの背表紙位置がずれてますがこれは最初からです。

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また次の春へ

東日本大震災をモチーフにした連作短編集。震災と津波そして風評被害に苦しめられた人々の苦悩と喪失感を７つのパターンで見せてくれます。被災後の悲しみにいろいろな形があるのだなぁと改めてしみじみ思うと同時に、その悲しみを理解しようとか寄り添おうとか軽々しく言えないと痛感します。



見張り塔からずっと

夢や希望が崩れ去った時、これまでの人生を諦め苦しみの余生に名なる３組 の家族。それぞれの理想が、現実に侵食され壊れていくさまがリアルです。

カラス

バブル絶頂時に新築のマンションを買った夫婦。しかしバブルがはじけ地価は下がり始めます。他の住人達も同様の気持ちで不満が募っています。そこに新しく越してきた家族いました。彼らは、元の住人達よりも一千万円も安い価格でマンションを購入したのでした。旧住人たちの満たされない気持ちは行き場を失い、新しく越してきた家族に降りかかる。このマンション周囲に多く生息するカラス。お腹を満たすためには手段を選ばないカラスになぞらえて。マンションの住人たちの底なしの悪意を描きます。

「扉を開けて」

子どもを無くした悲しみを抱き続ける夫婦。同じマンションに生きていれば同い年の少年が越してきて、毎日彼らの前でサッカーの練習を続けます。その詩型を見て妻は自分を責め続けています。やがて妻は生きて入れば6歳の息子の幻影を見ることになり、段々夫も見えるようになり・・・

「陽だまりの猫」

郊外の中古の家を買ったものの、マザコンの夫は自分の母親ばかり気を使ってまだ20歳の妻は不満がいっぱいです。やがて母親が危篤になり、嫌われていた妻は自分自身の意思でやり返そうとしますが・・・



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