「戦時期日本の精神史 1931-1945年」

加藤 典洋 / 鶴見 俊輔

定価: ￥ 1100

(岩波現代文庫)



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大佛次郎賞を受賞した本。この講義がなされたのが戦後35年、カナダの大学で学生に向け語られた、広い視野からの現代日本思想史前篇。何も知らない外国人のために英語で講義した、その記録。ファシズム支配下の日本知識人の軌跡を通して「転向」の事実と意味を問い直し、それが日本の精神史を貫く「文化の鎖国性」という特質と通底することを明らかにする。知識と思想のあり方に反省を迫る独自の日本文化論でもある。「戦時期」とは1931年の満州事変から45年の終戦までを指し、作者は様々な角度からこの15年の日本の精神史を炙り出してゆく。名も無き市井の人々が超国家主義に抗う行動を示していた事はもっと広く知ってもらいたい。