「君よわが妻よ : 父石田光治少尉の手紙」

石原 典子

定価: ￥ 1333



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半藤 一利と 加藤 陽子の対談集「昭和史裁判」でも、話が出てくるが本。サラリーマンの石田光治(32歳)は昭和十二年八月、日中戦争に召集された。身重の妻(27歳)と長男(2歳)を残して。娘の誕生は戦地で知った。いち早い帰国を夢見ていたが、一年後、激戦の中で戦死。娘を抱くことはかなわなかった。戦地から送られた手紙は妻によって封印されトランクに七十年間眠っていた。戦地でたおれるまで書き送った七十五通の手紙。平凡なサラリーマンがある日突然召集され、過酷な戦場に投げ込まれ、祖国には、身重の妻と幼い息子が残される。そんなことが、わずか７０年前の日本では、当たり前。夫は、ある時は「貴女を思わぬ日とてない」と熱烈なラブレターを綴り、時には「戦争は罪悪なり」と厳粛な言葉を記す。文面からは本物の夫婦愛、家族愛、感動が伝わってくる。