「回廊にて」
辻 邦生

異例の才能を持ちながらうずもれていった亡命ロシア人の女流画家、
マーシャの内的彷徨を描く著者の処女長編。
少女期に出会った魅惑的な少女アンドレとの痛みを伴った甘美な愛を失い、
結婚に破れ、
つねに芸術の虚しさを苦汁のようになめながら、生の意味、
芸術の意味を模索しつづけたマーシャの悲痛な生涯を、
清冽な筆致で描き、
近代文学賞を受賞した作品。

本書は終戦から3年後に発行された、
辻邦生の処女長編作です。

処女長編作なのに近代文学賞を受賞するほど若い頃から才能溢れる作家ですが、

今や珍しくなった1冊です…
終戦直後なので文章の味が今では見られない深みがあり、

現代の日本文学から失われつつある日本文学の良さが垣間見えます。

流石に何十年も昔の古書ですので古本独特のシミや黄ばみはありますが、

読むのに支障をきたすほどの傷みはありません。

戦争を経験した人でなければ絶対に書けないであろう社会情勢の描写も小説の中でもかなりリアルな様子で描かれます。

主人公の経験と、
亡くなった主人公の人となりを彼女の友人が彼女の残した日記から推察する形で物語が進んでいき、

あえて不明瞭な部分を残す事で亡くなった主人公の人物像を読者がより鮮明に推察したりイメージする事ができる不思議な作品です…

昔の日本の小説に興味がある方、
古本が大好きな方、

即購入歓迎します。

ご購入から24時間内匿名発送させていただきます。

古い文庫本なので、
表立った傷みはシミや変色以外ありませんが、

輸送中に傷まぬよう段ボールで保護して発送させていただきます。

また、
ご購入いただいた方にはお得なプレゼントをご用意させていただきます。

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