芸術新潮　2015年7月号　とてつもない絵師、河鍋暁斎

目次
暁斎傑作選
ここがヘンだよ明治の美術！　山口画伯の暁斎講座　山口晃
解剖学者と眼科医がみる骨と死と　養老孟司ｘ河鍋楠美
全姿を掴ませない絵師は、いかに葬られ、復活を遂げたか　安村敏信
暁斎タイフーン世界を度巻中ー近年の再発見作品事情　及川茂
LOVE & LAUGH 暁斎春画のワンダーランド
股間著聞集　暁斎の旬の春画を味わう　木下直之
枝になる逸話満載　暁斎略年譜
早すぎたコスモポリタン人脈図

ヘレン・シャルフベックを知っていますか
トゥオンブリー
レオナルド・ダ・ヴィンチ　失われた壁画の謎　前橋重二
塩田千春インタビュー
イセコレクションの中国陶磁
長谷川等伯の水墨画
石田線が歩いた唄の道
「線を聴く」展
ほか

◆暁斎特集。「山口画伯の暁斎講座」メモ作成。曰く：〈反骨〉はわかりやすいキャッチフレーズにすぎず、暁斎はむしろちゃんとした画家、筆の力がすごい、天才肌というより腕力、内発性があるのだ。内発性とは内側から満つる“張り”のようなもの。狩野派から他流派、浮世絵までものした暁斎は一人オールジャパン、その作品には生来の好奇心が表れる、見聞きした全てが題材になり、新時代の文物に感心しつつ自分のスタンスを崩さない　◆日本美術史を「ヘン」とし疑問を呈する画伯、ここでは「日本美術：現物＜記憶の中の生理的な正確さ」と

美術展の「狂ってたのは、俺か、時代か？」のコピー、そしてこの本の「暁斎最愛の女、その名は地獄」の文言、どちらも秀逸。最初は「狂斎」と名乗っていたそうだから、きっとこのコピーを知ったら、暁斎本人もニヤリとしたはず♪美人画や風景画から春画まで多才で鬼才。私はメトロポリタン美術館から来日した動物シリーズがカッコ良くてお気に入り♪暁斎特集以外では、フィンランドの女性画家ヘレン・シャルフベック特集も良かった。

「肉筆浮世絵 美の競艶」で観た《一休禅師地獄太夫図》が、一昨年のロンドンでのオークションにて暁斎史上最高額58万ポンド（約1億円）で落札された作品と知り、おったまげた！しかも、日本初公開…（なんとなく、ヘコみません？日本生まれが、日本初公開…）（レビューより）

表紙上部角に小さなソリあり

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