バッハ

ヴァイオリン協奏曲集

①ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041

②ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042

③二つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043



サイモン・スタンデイジ(ヴァイオリン)

エリザベス・ウィルコック(ヴァイオリン)③

指揮：トレヴァー・ピノック指揮

イングリッシュ・コンサート

録音：1983年3月 ロンドン



ピノック＆イングリッシュ・コンサートの人気は、日本での一般的なピリオド楽器・ピリオド演奏理解を推進し、それを定着させた大きな要因のひとつと言っても過言ではないでしょう。このアルバムは当時の彼らが、80年代前半に録音した『ブランデンブルク協奏曲』などと共に、その人気を確たるものとした名盤。当時のイングリッシュ・コンサートのもうひとりの顔、サイモン・スタンデイジが絶妙なヴァイオリンを聴かせています。



現在では古楽器による演奏はすっかり定着していますが、この盤が登場した1980年代半ばは、まだまだ古楽器演奏をキワモノ扱いする向きも多かったと思います。しかしこの演奏は、そんな偏見もすっかり吹き飛ばす素晴らしい輝きを放ち、その輝きは今でも全く衰えることがない。爽やかで気持ちが良く、リズムはみずみずしく跳ね、純粋を極めた響きは気品を放ち、いまそこでバッハの芸術が生まれいでているかのような生命力を感じさせます。録音も抜けるような青空を思わせる透明感のある好録音です。バッハやバロック、古楽器の入門ディスクとしても第一に推奨したい名演奏、名盤です。



ピノックの演奏は、長年「フェザー級」のイメージで、取るに足りないと思っていたけど、久しぶりにふと聴いてみたら「これしかない」「こう演奏するしかない」と確信できるほどキッチリした引き締まった演奏だった。いちぶのスキもない、ボクサーみたいな身のこなし。曲自体聴きやすいし、演奏も古楽器ならではの音色が合う。とても良いと思う。聴いていてリラックスできるし、BGMとしてもよさそう。とてもとても気に入りました。



国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し