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コンピュータの熱い罠

30年以上前のコンピュータ事情がベースになっていますので、今読むととても

　井上さんが執筆したに違いないコンピュータジャンルの話です。まあ1986年のコンピュータ事情をベースに仕上げた作品ですので、電話回線でデータ通信をし、データは紙ベースに一旦落とし、保存はフロッピーディスクで・・・なんて、当時は最先端だったんでしょうが、現在読むと「コンピュータの温い罠」くらいの技術レベルとしか思えません。



　でも内容はなかなかですよ。相性診断によって男女を引き合わせる結婚相談所のシステム入力を行なうオペレーターの女性・夏村が主人公。彼女は入力されたデータの中身が詳しすぎることに不信感を抱くのですが、そのうちここで結ばれたカップルの内、結婚後１か月以内に亡くなった男性が8人もいることが判明します。明らかに怪しいと調査を進める夏村の周りにも危険が迫って…



タイトルマッチ

　ボクシングの試合の二日前にチャンピオンの息子・健一が誘拐されます。犯人の要求は「挑戦者にＫＯで勝て」と言うものであった。人質を取って脅迫されなくても、相手を倒したいと思うのはボクサーの本能。それをわざわざ要求してくる誘拐犯の本当の狙いは？　冒頭から、普通でない設定で読者を引き込みます。



　事件の内容を知らされた挑戦者の琴平は、激情しサンドパッグに怒りをぶつけ右拳を負傷してしまう。試合の延期は子供に危険が及ぶため、負傷を隠して試合に望まなくてはならなります。試合の結果は？人質の救出は？そして誘拐犯は誰か？というサスペンス物となっております。