長尺から短尺に硬、軟、自由自在に竹を操り竿に仕上げてしまう方で、馴れ染めは『隠れ谷池』へ幾度となく通っておりました折り、知り合いとなり昵懇にさせて頂きました。

そんな時に、

『大介でも溜めて引ける竿をお願い出来ないでしょうか？』

魚酔師匠
『難儀な注文やね、』


数年後、お電話を頂き『隠れ谷池』へ行き渡して下さいましたのがこちらです。何時でもそうですが竿袋の結びを解く時の緊張感は凄いです(汗)

穂先から継いで行き、長さからしては細身で紋があり美しいシルエット！！　穂先は真竹の4本合わせで、大型も問題無く取れます。

重みも無く振り易い竿で7:3からの本調子で、かと思って居ると何か違和感が？？？

再度、慎重に継いでいき、
違和感が分かりました！！

『芽』が無いんです。
本物の竹ですから『節』はあります。が、『芽』が無いんです！！　しかも、『高野竹』です！

それを見て魚酔師匠は笑いを堪えて居たのでしょう！
大笑いで『難儀したよ、どえらい注文よって！』

『分からんかったらそれ迄と思い、袋には書いて無いよってな、あんたが判ったら良い良い、ハハハ』

銅塗りは上朱合での仕上げ♪

《《先輩諸氏はご承知の事ですが、『芽』無しの竹は殆どありません。何処かに『芽』があるモノです。しかも、五継ぎで竿に仕上げるには何万本もの原竹から選り出したお品です。見事でしかありません》》


《スペック》
全　長、　　　十三尺五寸(約 4m5cm)
継ぎ数、　　　5本
節　数(元、) 3
節　数(元上) 3
仕舞い
寸法、　　　　 三寸六分(約 92.7cm)

元　径(握り上) 約 11.8mm
先　径(元　太)約 4.2mm
先　径(先　細)約 1.2mm
重　さ(込抜き) 約 140g
※ 手秤ですので多少の誤差が御座います事、ご了承下さいませ。

年に２度ほど使って来たお竿です。
(５年程使い、後は竿箪笥へ仕舞いおりました。)

穂先に少し癖が出ておりますが、他に元上の込み上、一番下の節下に横に約 3mmのキズがあります。
(当たって銅塗りが飛んでいます。)
釣りには問題ありません。
小さなキズやスレは御座います。

銅塗りも込みも良い状態です♪
(もちろん、竿袋、込み共にオリジナルです。)

ただ、竿袋には汚れや経年劣化による焼けが御座います。