ラフマニノフ

①ピアノ協奏曲第2番

②パガニーニの主題によるラプソディー(狂詩曲)



セシル・リカド(ピアノ)

指揮:クラウディオ・アバド

シカゴ交響楽団

録音:1983年2月



セシル・リカドのデビュー盤です。デビュー盤でアバド ／シカゴ響と共演するなんてとても凄いことだと思います。リカドの演奏はけっしてスケールの大きいものではありませんが、ひとつひとつの音がとてもきれいで鮮やか、リリシズムを湛えた演奏です。アバド ／シカゴ響は、ハーモニーが美しく、しかも適度な重厚感もあり、メランコリックな旋律は聴きどころ満載です。ロシア的な演奏を求める方には、やや物足りないかもしれませんが、純音楽的な演奏としては一級品だと思います。パガニーニ狂詩曲も第2番と同等かそれ以上の名演です。アバドは第2番を後年ジベルシテインのピアノで再録音していますが、個人的にはリカド盤に軍配があがると思います。



このCDで聴けるラフマニノフは、「アバド」と「シカゴ響」の個性で彩られたもの。健康的にビシッと締まっていて、文学的要素や、あるいは曲の背後に垣間見えるであろう民族臭などを無視したとしても、これらの曲の魅力は少しも後退しないということを証明したような演奏。こういった類の演奏で評判の高い「ルービンシュタイン＋オーマンディ」のディスクもあるが、このリカド盤はその路線をさらに一歩進めて開花していると言っても過言ではないと思う。



ロシア色たっぷりのこってり濃厚な演奏は苦手だし、やや細身の音ながら清廉でヴィルトゥオジティにも欠けていず、アバドのサポートも流石に万全。シカゴ響も7〜8割のパワーで余裕たっぷり。リカドは米留学後にカーティス音楽院で大ルドルフ・ゼルキンなどに師事してキャリアに乗ったんだけど、この後イマイチパッとしなかった感じ。一説では祖国でかのイメルダ・マルコス大統領夫人の覚えがめでたかったとかだけど、まさかそのことが影を落としたわけでもなかろうが。でもこの盤は悪くない。特にパガニーニ・ラプソディは今もって屈指の出来。



【希少初期国内盤】帯無し、盤面傷無し

プラケースすれあり　13



＊まとめ買い値引き致します(要事前コメント)

2枚購入→150円引き、3枚購入→300円引き

4枚購入→450円引き、10点以上は全品150円引き