「 ‹ 1分子 › 生物学 : 生命システムの新しい理解」

合原 一幸 / 岡田 康志

定価: ￥ 2100



【内容紹介】

異なる学問分野の交流から、素晴らしい成果が生まれることは珍しくない。この本は、そのような成果を狙った異分野交流から生まれたものだ。たんぱく質や細胞機能の研究を行っている生物学者と、複雑系やニューラルネットワークを研究の対象とする数理科学者の交流会がきっかけとなって出版された。具体的な融合研究の方針決定までには至っていないが、分子生物学に対する数理的アプローチの可能性が示されている。

　本書の前半部分は、モーターたんぱく質分子の観測や、細胞内におけるたんぱく質の移動など、バイオテクノロジーの最先端である1分子計測の研究成果を解説。光ピンセットや全反射蛍光顕微鏡など1分子計測に使用される機器類も紹介されている。後半には、数理科学と生物学の研究者が、生命システムについて議論した座談会を収録した。



　生命の最小部品であるたんぱく質の組織だった働きが明らかになれば、生命の仕組みが分かる。すでにシステムバイオロジーの分野では、過去の論文のデータに基づく細胞モデルなどが作製されている。しかし、莫大な数のたんぱく質相互作用をすべて実験的に解明するのは困難だ。それだけに、モデルを作製して現象を解析する数理学の手法から、研究の突破口が開かれることが期待される。





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