書名「１９７４年ソビエト月旅行」
著者：カルル・ギリジン、グレゴリー・グレウィチ
訳者：袋一平
出版社：三一書房
1960年刊／215p
発売時価格：130円
６０年以上前の本ですので、経年劣化などあることをご了承ください。

かなりレアな本だと思います。
ネット検索してもかろうじて数件出てくる程度です。

出版年は1960年、旧ソ連での原書発行は1955年で、スプートニク１号の打ち上げの２年前となります。
内容はタイトルのとおり、1974年にソ連の月ロケットが月面着陸するという、広義でのSF小説になります。
元々は科学読み物として、各分野の専門家が執筆し、雑誌に掲載されたものらしく、当時の最先端技術や科学研究を分かりやすく解説する内容となっています。そのため、小説として事件事故が発生するようなメリハリもなく、平板な読み物であることは否めません。
ただ、当時の研究水準を知るうえでは興味深く、理論研究はかなり進んでいたと思わされます。多段式ロケットについてもすでに具体的に言及されています。一方、さすがに月着陸の着陸船と司令船の分離合体方式は記載されていません。
上記紹介文を面白いと思われるような、宇宙開発史に関心のある方向けの読み物と思いますので、ご興味のある方はぜひ。

#SF #ソ連 #宇宙開発