自宅蔵書ですのでそれなりに経年劣化しているものの、比較的良好な状態で、読むのには差し支えありません。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。

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東京DOLL　

ライトな表記とテンポの良い展開の「ザ・石田衣良小説」です。少女・ヨリが天才ゲームソフト制作者・MGに見いだされて日の当たる場所に連れ出され、同時にMGも心を癒していく、といったシンデレラストーリーですが、大都会の魅力を随所にばらまき、かつそれぞれの恋人との軋轢を絡ませるという工夫が見られます。



手のひらの迷路

石田衣良の私小説風短編集。特によかったのは奇妙な遠距離恋愛を描いた「片脚」「左手」の連作。遠く離れてなかなか会えない彼氏に宅急便で「片足だけ」を送りセックスする。また同様に「左手だけ」を送って愛撫する。という乙一タッチのＳＦ小説です。「書棚と旅する男」は活字中毒の私には登場人物の気持ちがよくわかるー。「最後と、最後のひとつ前の嘘」は死人が幽霊になって甦る話。



アキハバラ＠DEEP

おたく青年五人と一人のコスプレ美女がアキハバラで出会いIT企業『アキハバラ＠DEEP』を立ち上げます。

　彼らは画期的なサーチエンジン「クルーク」の開発に成功し瞬く間に時の人となりますが、巨大悪徳IT企業社長と対立。友情で逆転勝利を呼び込むプロットが楽しめます。



シューカツ！

水越千晴は同級生6人とともに「就活プロジェクトチーム」を結成します。就職を有利に運ぶためにインターン、OB訪問、面接と就活で出くわす様々なイベントをこなしていき、就職試験に突入すると、筆記試験、集団討論、一次面接、2次面接…と評価される立場の千晴はその結果に一喜一憂します。これらのシューカツを通して作者はパワハラ問題、セクハラ問題、ワークバランス問題、犯罪被害者の人権問題、受信料不払い問題、出版不況問題、引きこもり問題、格差問題など時事的な小ネタをちょいちょい挟み込んできます。