世界初のファッションスナップ集と呼ばれるアウグストザンダーの写真集、20世紀の人々のコンプリート版。
ヨウジヤマモトのデザイナー、山本耀司の愛読書であり、自身のオフィスに置いています(都市とモードのビデオノートにも映り込んでいます)

ファッションデザイナーを志す人やヴィンテージが好きな方などにとって貴重な本でしたが、絶版となってしまいました。
Amazonでは中古で8万円程度で販売されているようですが、今後も価値は上がり続けるものと思います。

世界で初めて、一般市民を全身で写した写真集
当時は写真機は高価で、貴族の肖像画用の写真くらいにしか用いられていませんでしたが、この写真集では当時の一般庶民のありのままのファッションを全身で捉えています。

表紙の写真は1914年に撮影されたもの。
スーツにハット、ステッキで気合の入った男性3人組。

よく見ると背景は田園で、革靴に似つかわしく無い泥道。
ステッキは身長に合っておらず、パンツの裾はダボダボ、靴は明らかに大きく、どれも中古で購入されたもの。
経済成長に伴い、当時の富裕層のファッションを一般庶民が中古で買えるようになったなか、貧しい若者が精一杯着飾った瞬間を撮った一枚。

こういった、当時の一般市民が、おそらく生涯一度きりの写真を撮られるために、精一杯ファッショナブルに写った姿が凄まじい数納められています。

ファッションを仕事としている方にぜひ