美術家で日本どうぶつの会代表という肩書を持つ戌一さんが、妻のふくしひとみさんとの生活について語ったエッセイ「異界夫婦」の出品です。
私が読み終えた中古ですが、折れや曲がりのない美品です。
ふくしさんも「なかなかよく書けている」と推薦されています。
籍は入れていない事実婚とのことなので、姓はふくしさん、戌さんと別々のままです。
総ページ数237。
初版発行2024年9月30日。
この冊子は初版です。
ご不在でもポスト投函されるネコポスで発送します。

題名に異界夫婦とある通り、アーティストの2人の家庭は一般的なものからはかけ離れています。
両者ともそれを自覚していて、他人とはなるべく関わらずに2人だけで生きて行きたいと考えているとのこと。
だからふくしさんのパフォーマンスを戌一さんがマネジメントするという現在の形に落ち着いたそうです。
アーティストとしての才能は圧倒的に彼女が上だから、という戌一さんの認識によって。

確かにこの作品に書かれているふくしさんの姿は、私の言う『掴める人』そのものだと思います。
本書を読んではじめてその名を知ったので、私もとある動画アプリケーションで彼女のパフォーマンスをいくつか観ましたが、なるほど感心しました。
女性でこれだけ明らかにその能力を公にする人はほとんどいなかったので、彼女から勇気を貰う『掴める女性』もいるだろうと思います。

よく「天は二物を与えず」などと言いますが、私からすると「一つも持っていない人」と「ほぼ全て持ってる人」の両極端しかいません。
そして圧倒的大多数が前者で、数少ない後者が『掴める人』です。
ふくしさんも間違いなく後者です。
戌一さんは前者だと思います。
まあ、別に大した問題ではないんですよ。
1万人いたら1万人とも前者であることがほとんどですから。
100万人いて初めて1人いるかな、という位の確率です。
ただしこれはいわゆる「おとな」に限っての話。
まだ一次成長期を迎える前の子や、先天的な障碍を持つ人では後者が半数以上を占める多数派になります。

この出品のBGMはクリスティアン・コデノッティ、ステファノ・カスターニャとエベリーナ・ソメンツィによる、パフォーマーはPAMSYの「ソー・フラジャイル」です。
彼ら彼女らは壊れものなので優しく扱う必要があるのです。
あ、私は鍛え抜いたので踏んづけても構いませんよ。