兜木銀次郎氏の希少な太字14金ペン先のついた黒蝋色漆塗り軸、インク止め万年筆のご紹介です。

モンブラン149にも見劣りしないほど大ぶりのペン先を備え、またモンブランを遥かに凌駕すると讃えられた紙滑りを最大限に活かすため、軽くペン先を開きコシの強く撓うペン先の柔らかさを引き出してあります。

また、ペン先のバリを取り丸め、するすると滑りながらも、文字がきれいに書ける僅かな書き応えを残した絶妙の黄金比を目指して研いでみました。

その紙滑りといったらなんと例えようもなく、言葉に起こすのは野暮なほどですが、一応なんとか表現してみようと思います。

書き味と致しましてはするする、といったところで、紙の上をこれ以上ないほど快い音をさら、さらと立て、心を洗うような青い線がどこまでも伸びてゆきます。

息もできぬような何をしても眠れない夜半にこのペンを手に取り、紙の上を少しすべらせて見ますと、その滑りの良さに目を見張るとともに、ほう、と自然なため息が漏れ、温かなエボナイトのほっくりした手触りに優しい安堵を覚えます。

文字をどう汚く書こうと頑張っても、自然に生き生きと躍動するような生命が吹き込まれ、味が出て自分の字が好きになってしまうような、優しい魔法のかけられたペンだと思っています。

ぜひ、あなたのお手元に。