1965年刊行
講談社 少年少女新世界文学全集 28
南欧古典編 ドン=キホーテ／ピノッキオ

自分がこれまで見てきた中で一番美しい装丁だと思っている全集です。
(次点は新潮社河野多恵子全集)
子供向けの本とは思えない、白い革や箔、絹本をふんだんに使いこの時代なら当たり前ですがタイトルの文字も全てオリジナルにカリグラフされたもの。
それもその筈、装丁家・画家の安野光雅氏が装丁…このころはまだ装本と言われてますが……を手掛けています。
なんと美しい作品タイトルの文字！イラレなどでは決して出せない、稀代の天才の指から生まれた芸術品です。中の挿絵が他の方なのが残念ですが。

今の時代に同じ装丁で作ろうとしたら…まず作れないとは思いますが一冊数万の値段になってしまうかと思います。ここまでくるとルリユールにも近いですがあくまでも“印刷物”としての良さがあります。子供にこそ本物の、最良なものを与えようという豊かな時代でした。

古い本ですので背表紙などはそれ相応の劣化があります。ご理解下さい。
だって革が、白なんですよ(TдT) アリエナイ

子供時代にこの版を読んだという方、タイポグラフィや装丁の勉強をされてる方、安野先生のファンの方、
そして勿論遍歴の騎士と木偶人形の物語を最上の装丁本で読みたい方へ。

#安野光雅 #神装丁