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勝負師カエサル

陰謀と暴力に彩られた激しい政治抗争の時代、元老院議員がみなおのれの野心のために競っていたなか、なぜカエサルだけが、いくつも失策を犯しながら勝ち残れたのか。現実主義者カエサルの人生を、彼自身の言葉に基づいて、気鋭のローマ史家が検証する。

上巻は誕生〜ルーカ会談まで



「ゴールズワーシーは軍事史家として名高いが、共和制後期の錯綜した権力闘争についての本書の記述も、明快かつ信頼できるものだ」インディペンデント紙日曜版評

「たいへんわかりやすく、総合的で、バランスの取れたみごとな伝記」デイリー・テレグラフ紙評



共和制末期のローマ社会は、文明的であると同時に暴力的で危険な、政治抗争の時代だった。誰もが野心家であり、己と家族の権力のために戦っていた。名門貴族であろうと出世の保証はなく、判断を誤れば政治生命どころか命も危うかった。この混迷の時代に、なぜカエサルだけが、いくつも失策を犯しながら勝ち残れたのか。本書は、現実主義者カエサルの人生を軍事・政治両面について、成功だけでなく失敗も取り上げ、彼自身の言葉に基づいて検証している。

晩年のカエサルは事実上君主であり、国家制度の中で想定された、いかなるものをも上回る権力を享受していた。自由な(ただし腐敗した)選挙は失われたが、彼の政策は民衆の、そして時代のニーズと、自分の利益の接点を見いだすものだった。多くの人々のために自分の勝利を利用し、社会の広範な部分に利益をもたらそうとしていたのである。

先見の明のある偉人か、法を無視して権力を独占した野心家か? 気鋭のローマ史家が贈る、歴史書としてのカエサル伝。

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ローマ帝国　ユリウス・カエサル