このアンプは、古典管の直熱管である４６真空管について知識のある、真空管アンプの自作マニア向けで、その他の方のご購入はご遠慮ください。特殊な真空管で入手も困難であり、プラス・ドライブ回路などに変更ができる方に楽しんでいただきたく、出品します。４６真空管は、構造が４極管となっていますが、２つのグリッドを持つ、デュアル・グリッド・トライオードと呼ばれる３極管で、４極管として使用することはありません。プレートに近い第２グリッドを第１グリッドに繋ぐと出力管としてＢ級プッシュプルで、約２０Ｗの大出力を出すことが出来ます。また、第２グリッドをプレートに繋ぐとＡ級動作となり、シングルで約1.2Ｗ位の出力が出ます。また、この動作の音が４５の音に近いともいわれ、今でも古典管愛好者の間では人気のある真空管のようです。大きさはST-16で、２A３と同じです。

　今回製作（改造）したシングル・アンプは第２グリッドをプレートに繋いだ回路で製作しました。出力は1.2W位の小出力ですが、音量は十分です。確かに４５トーンにも似た音でバランスの良い素直な音です。

使用した４６ですが、以前、アンプに挿して動作確認しただけのナショナル・ユニオンの新品同様品です。動作に全く問題はありませんが、左右チャンネルのバイアス電圧に2V程度の若干のバラツキがあります。どうしてもバラツキの少ない球を希望されるのであれば、メーカーはタング・ソルと、ナショナル・ユニオンと異なりますが、構造は同じ（同じ製造元？）なので問題は無いと思います。どちらの組み合わせが良いか、ご購入時に、ご指定下さい。

　また、この回路だと直熱５極管の４７をそのままソケットに挿すと、２番ピンと４番ピンで自動的に３極管接続となり４７との兼用になります。

４７の３極管接続の音もなかなか良い音を聞かせてくれます。ただし４７はダイナミック・カップルド・アンプにはできません。

このアンプには音量調整用のボリュームは付いていませんので、プリ・アンプ等をご使用ください。製作者の責任として、末尾に回路図を添付します。

コネクター付きの電源コードは付けますが、仮のものです。

追記：このままのシャーシとソケットで、6SL7と6SN7を使えば、電圧配分を工夫すればダイナミック・カップルド・アンプにも変更できるでしょう。ぜひ、自作できる方は遊んでみてください。