カンザスシティで生まれ後にヨーロッパで活躍したマルチサックス奏者、ネイザン・デイヴィスのスピリチュアル・ジャズ傑作アルバムです。デイヴィスはジャズファンク、レアグルーヴ大傑作Ifをはじめ1960年代半ばに第二の故郷とも言えるヨーロッパでの活躍で数枚の名盤を残していますがその個性的なサウンドは唯一無二のものです。
1972年にリリースしたこのアルバムのメンバーはネイザン・デイヴィス（ts,ss,bcl,f）、ローランド・ハナ（p）、リチャード・デイヴィス（b）、アラン・ドーソン（ds）という強力な布陣。冒頭のアルバムタイトル曲やバラード曲Tribute To Malcomは心の深淵に迫る深々と沈み込むデイヴィスのテナーサックスに惹き込まれます。This is for Richardはベースのイントロからデイヴィスがソプラノサックスで入るあたりでゾクッとします。エリック・ドルフィーを感じるフルートのイントロが冴えるC’est pour moi 、同様にバスクラリネットを響かせるラスト曲The Shadow Of Your Smileなど、全曲素晴らしい内容です。なおこのレーベルからはもう一枚ディープでモーダルな名盤Makatukaをリリースしておりこちらも必聴です。
US Original Segue SEG-1002 stereo promo
ホワイトラベルのサンプル盤でジャケットは経年劣化で多少擦れ、黄ばみ、折れ、角傷みがありますが盤はノイズはごくわずかで少しエコーがかかった録音もスピリチュアルな雰囲気を高めています。近年再発が進むデイヴィスの一連の作品の中でもいまだ再発がなく滅多に出てこない希少盤です。お気に入りで２枚持っており是非聴いて頂きたく1枚出品します。