※歌詞カードのホッチキスが外れていますが、音に外れはごぜーません！！
ドッケン　『トゥース・アンド・ネイル』

オリジナルは84年作、ドッケンのセカンド・アルバムであり、LAメタルの代表的作品となった出世作です。

裏ジャケに映る4人は確かにヘア・メタル然としたヴィジュアルですが、ジョージ・リンチのフラッシーなギター、ドン・ドッケンの美声、そして湿り気たっぷりの哀愁メロティは、一連の80年代メタル勢とは確かに違った個性を持っていました。

プロデュースはトム・ワーマンとロイ・トーマス・ベイカーという、チープ・トリックやモトリー・クルー、フォリナーやクイーンといったバンドを手掛けたきた名人2人ですが、そのどのバンドとも違う魅力をすでに本作で確立しています。

ドイツで活動していたドンの持ち込んだメロディ・センス、ジョージのギュインギュイン言わせながら切り刻むギターのインパクト、一見油と水と思われる両者の個性のぶつかり合いこそが彼等の黄金期における最大の魅力でした。

またギター・ヒーローとカリスマ性を持ったヴォーカリストというわかりやすい構図は、同時代のRATTやMOTLEY CRUEとは明らかに異質な個性でしたが、ドッケンが80年代メタルの象徴的存在となったのはやはりメロディありきの姿勢があったからだと思います。

派手なヴィジュアルとパーティー感覚満載の快楽追求スタイルが横行した中、本作は確実に以降のメロディアス・ハード勢に影響を及ぼした貢献度も見逃せないでしょう。

オープニングのドラマティックなインストから期待度を煽り、「TOOTH AND NAIL」、「JUST GOT LUCKY」と続く見事な流れ、ヒット・シングルの「INTO THE FIRE」で中盤を更に盛り上げ、超名バラード、「ALON AGAIN」で泣かせ、ラストはアルバム中最もスピーディーな「TURN ON THE ACTION」で駆け抜けるという構成も完璧過ぎます。

1988年度リリース盤


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