【シェイクスピア全集】　補『コリオレイナス』

【著者名】福田恆存訳

【装　丁】ハードカバー・箱付き・帯付き・登場人物書かれた栞・月報付

【発　行】新潮社1971年8月10日　初版

【判　型】198㎜×135㎜/282頁＋舞台写真9枚

【内　容】シェイクスピアの『コリオレイナス』は、1608年頃に書かれた

悲劇で、古代ローマの将軍ガイウス・マーシアス・コリオレイ

ナスを主人公としています。この作品は、プルタルコスの『対

比列伝』やティトゥス・リウィウスの『ローマ建国史』を基に

しています。





☆物語は、ローマの将軍ケイアス・マーシアスが、ヴォルサイ人との戦いで英雄的な活躍を見せ、「コリオレイナス」の称号を得るところから始まります。しかし、彼の高慢な性格と民衆への蔑視が原因で、ローマから追放されます。追放後、彼は敵であるヴォルサイ人と手を組み、ローマに復讐しようとしますが、最終的には母ヴォラムニアの嘆願により和平を結びます。しかし、ヴォルサイ人に裏切り者と見なされ、暗殺されてしまいます。



☆政治的対立

この作品は、民主制と貴族制の対立を描いており、コリオレイナスの高慢さと民衆への蔑視が彼の破滅を招く要因となっています。彼の性格は、政治的な緊張を生み出し、物語全体に影響を与えています。



☆母と子の関係

コリオレイナスと母ヴォラムニアの関係は、物語の中心的なテーマの一つです。ヴォラムニアは息子の成功を強く望み、彼を政治的に操る存在として描かれています。この親子関係は、単なる情愛を超えた政治的な色合いを帯びています。



☆プライドと柔軟性のジレンマ

コリオレイナスは、優れた軍人でありながら、その強すぎるプライドが彼の最大の弱点となります。民衆に迎合することを潔しとせず、己の信念を曲げない頑固さが、最終的に彼を破滅へと導きます。



☆現代への影響

2011年のレイフ・ファインズ監督・主演の映画『英雄の証明』は、この戯曲を現代に舞台を移して再解釈した作品です。





※発行されてから５０年を超えますが、書棚に保管されており、箱の日焼けや汚れは少しありますが、ハードカバーの本体自体は綺麗な儘です。

稀少本です。



【価　格】1000円